慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease) とは
「階段の上り下りがキツイ」、「セキやタンが多くなった」、などといった身体の変化を年齢のせいにしていませんか。
COPDは、セキやタン、息切れが主な症状で、「慢性気管支炎」(頑固なセキやタンが続き気管支が狭くなる疾患)と「慢性肺気腫」(肺の組織が破壊されて息切れや呼吸困難を起こす疾患)のどちらか、または両方によって慢性的に空気の流れ(気流)が制限される病気です。
初期には自覚症状がほとんどない場合が多く、ゆっくりと進行して、しだいに重症になっていきます。かなり進行してから、患者さんが息切れなどの症状に気づく場合が多いのが大きな問題です。
WHO(世界保健機関)では、死亡原因の第4位にあげていて、2020年には第3位になると予測しています。
日本では40歳以上の8.5%(男性13.1%,女性4.4%)、COPDの潜在患者は530万人以上と推測され、治療を受けているのはそのうち5%未満といわれています。未治療の患者さんが大変に多いのです。
あなたのCOPD危険度は?
1 | タバコを吸っている、あるいは吸っていた(受動喫煙を含む) |
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2 | 1日の喫煙本数×喫煙年齢が400以上である(であった) |
3 | 咳・痰がある |
4 | 風邪をひくと、一時的に咳や痰がひどくなる |
5 | 朝、通勤通学を急ぐ人の流れについていけない |
6 | 階段や坂道を上るとき、同僚に追い越される、ついていけない |
7 | 配偶者とウォーキングをすると、自分が先に音を上げる |
1,2にチェックが入った場合は、まず呼吸機能検査を受けること。
1,2に加えて、3以降にチェックが入った場合はCOPD予備軍の疑いがある。
1,2にチェックが入らず、3以降にチェックが入った場合は、COPD以外の疾患の可能性もある。
原因
別名タバコ病ともいわれるように、最大の原因は喫煙で、患者の90%以上は喫煙者です。長年にわたる喫煙が大きく影響するという意味で、まさに“肺の生活習慣病”です。
タバコを吸わない人でも4.7%の人がCOPDにかかっています。これは、副流煙による「受動喫煙」の危険性を示しています。副流煙には喫煙者が吸う主流煙よりも発ガン物質をはじめとする有害物質、たとえばタール、トルエン、メタンなどが多く含まれています。
喫煙者が近くにいる人は、タバコを吸わなくても喫煙者と同等か、それ以上の有害物質を吸い込んでいるのです。家族がヘビースモーカーだったり、分煙されていない職場で仕事をしている人は、COPDにかかる危険性が高まります。
気管支喘息とは
喘息は、空気の通り道である気道(気管支など)に炎症が起き、空気の流れ(気流)が制限される病気です。気道はいろいろな吸入刺激に過敏に反応して、発作的に咳、“ゼーゼー”と気管支が鳴る喘鳴、呼吸困難が起きます(気管支が収縮して狭くなり、それによって喘鳴や呼吸困難の症状が起きてきます)。症状は軽いものから生命にかかわるほど重症にになる場合もあります。
喘息患者の気道では、適正な治療が行なわれないと炎症とその修復が繰り返される過程で気道の壁が厚くなって、空気の流れ(気流)が元に戻らなくなり、気道の敏感さ(過敏性)も増します。このようになる前に治療が必要なのです。
当クリニックでぜひ検査を行い、適正な治療をご相談下さい。
原因
さまざまな原因物質に対して敏感に反応し、気管支が収縮することで喘息が起きます。空気中に含まれる喘息の原因物質として最も多いのがダニであり、ハウスダストやアレルギーの関与も指摘されています。その他では、各種の化学物質やカビ、アスピリンなどが知られています。